沖縄のガソリン価格を全国と比べると、上がる回数よりも、動いたときの幅に違いが見えてきました。
約10年の調査を振り返ると、価格が上昇した割合は沖縄51.9%、全国50.3%で、どちらも半数ほど。一方、上昇したときの幅の中央値は、沖縄0.8円/L、全国0.4円/Lでした。下落したときの幅も、沖縄の方が大きくなっています。
「いくら上がったか」を知るために価格の推移を見る。それに加えて、何回動き、1回にどれくらい動いたかを分けると、値動きの特徴をもう一段詳しく読めます。公的データから確かめてみましょう。
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の公表価格から当サイト計算。対象は2016年10月24日〜2026年10月19日、レギュラー・税込み。詳しい分類と分母は下の図に記載。
上昇・下落・据え置きは、それぞれどれくらいある?
使用したのは、沖縄県と全国の平均店頭価格です。両地域で同じ504調査日をそろえ、前回の調査日と比べた変化を503回数えました。
たとえば、170.0円から170.3円になれば「上昇」、169.7円になれば「下落」、170.0円のままなら「据え置き」です。ここでは、公表されている0.1円単位の平均価格で分類します。
上昇は約半数。沖縄は据え置きが少ない
2016年10月24日〜2026年10月19日/隣接する調査日を503回比較
沖縄県
全国
沖縄は上昇261回、下落221回、据え置き21回。全国は上昇253回、下落207回、据え置き43回でした。沖縄は上昇も下落も全国より回数が多く、据え置きが少ないという組み合わせです。
沖縄で多いのは、上昇だけでなく下落の回数もです。上下に動いた場面を詳しく見るため、次は1回の変化幅を比べます。
上がるとき・下がるとき、1回の幅はどれくらい?
上昇した回だけを集めて、小さい順に並べます。その真ん中に位置する値が「中央値」です。下落した回も同じように、下がった幅の大きさを並べて比較します。
動いたときの幅は、沖縄の方が大きい
上昇した場合・下落した場合、それぞれの変化幅の中央値(円/L)
上昇したとき
下落したとき
上昇幅の中央値は沖縄0.8円/L、全国0.4円/L。下落幅は沖縄0.7円/L、全国0.4円/Lでした。沖縄は、上がるときも下がるときも、1回の幅が比較的大きいことが分かります。
平均で見ると、沖縄は上昇時・下落時とも約1.24円/L、全国は上昇時約0.85円/L、下落時約0.83円/Lです。平均は一部の大きな変動も反映するため、ここでは真ん中の動きを捉える中央値と合わせて読みます。
回数と幅を合わせると、全体の変化が見える
「上昇した回数が多い」と分かっても、それだけでは期間全体の値上がり幅は決まりません。上昇した幅を足し、そこから下落した幅を引くと、始点と終点の差につながります。
− 下落幅の合計 274.5円/L
= 期間全体の上昇 48.9円/L
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」。2016年10月24日〜2026年10月19日の503前回差を当サイト集計。各上昇幅・下落幅の単位は円/L。連続する調査日をすべて含めた計算。
期間の最初と最後の価格差は48.9円/Lですが、その途中では、合計323.4円/L分の上昇と274.5円/L分の下落が積み重なっていました。全国の上昇幅の合計は215.1円/L、下落幅は170.9円/Lで、差は44.2円/Lです。
始点と終点が近い変化でも、途中の上下の動き方は違う。回数と幅を分けることで、価格の折れ線を眺めるだけでは捉えにくい特徴が見えてきます。
年ごとに分けても、同じ特徴が見える?
10年分を一度にまとめると、特定の時期の大きな動きが結果に影響します。そこで、丸1年分を比較できる2017〜2025年を、年ごとに分けて確かめました。
ここで使うのは、上昇・下落の符号を外した「変化幅の大きさ」です。1円の上昇も1円の下落も1円、据え置きは0円として、全比較の平均を計算します。
通年で比べても、沖縄の変化幅は大きい
1回当たりの変化幅の平均(上昇・下落とも大きさで集計、据え置きは0円)
年別の数値を見る
| 年 | 比較数 | 沖縄 円/L | 全国 円/L |
|---|---|---|---|
| 2017 | 51 | 0.66 | 0.40 |
| 2018 | 51 | 1.01 | 0.72 |
| 2019 | 50 | 0.86 | 0.60 |
| 2020 | 50 | 1.22 | 0.95 |
| 2021 | 50 | 1.09 | 0.79 |
| 2022 | 51 | 0.81 | 0.74 |
| 2023 | 50 | 1.05 | 0.72 |
| 2024 | 51 | 0.76 | 0.30 |
| 2025 | 50 | 1.33 | 0.98 |
9年すべてで、沖縄の1回当たりの平均変化幅が全国を上回りました。2026年の大きな変動を含めなくても、今回のデータでは同じ方向の特徴が見られます。
2017〜2025年をまとめた454比較でも、上昇幅の中央値は沖縄0.8円/L・全国0.5円/L、下落幅は沖縄0.7円/L・全国0.4円/L。10年全体の結果と照らしても、沖縄の変化幅が大きいという読み取りは保たれています。
比較条件を変えた確認結果
調査間隔がちょうど7日の378比較だけに絞っても、上昇幅の中央値は沖縄0.8円/L・全国0.5円/L、下落幅は沖縄0.7円/L・全国0.4円/Lでした。
また、±0.1円/Lの動きを「小さな変化」としてまとめると、その割合は沖縄12.1%、全国27.2%です。公表値が完全に同じ場合だけでなく、ごく小さな動きまで含めても、全国の方が小幅な変化の割合は高くなりました。
2026年は10月19日までの途中集計です。この年には大きな変動が含まれるため、平均と中央値の差が広がっています。変動の原因は今回の分析では確認していません。
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の公表値から当サイト計算。7日間隔は378比較、±0.1円の確認は全503比較。小さな変化は沖縄61回・全国137回。
今回見えてきたのは、沖縄では全国に比べ、平均価格が据え置かれる回数が少なく、上下に動く幅が大きいという特徴です。
全国平均では、地域ごとの動きが集計の中でならされることがあります。ここで捉えているのは、沖縄県と全国という二つの公表平均の動き方です。
価格を見るときに「上がった・下がった」に加えて、頻度と大きさの両方を見る。この分け方は、ほかの価格や時系列データを読む際にも使えます。