沖縄と全国のガソリン価格差

沖縄のガソリン価格が全国平均より高い日は、どれくらいあるのでしょうか。そして、その差はどのくらいの範囲に集まっているのでしょうか。

資源エネルギー庁が公表する沖縄県と全国の平均店頭価格を、同じ調査日どうしで比べました。対象はレギュラーガソリン・税込み、2016年10月24日〜2026年10月19日の504調査日です。

沖縄が全国を上回ったのは501日。ただし、差の大きさには年ごとの違いがありました。今回は価格の折れ線から少し離れて、差がどれくらいの範囲に集まっていたかを見ていきます。

出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の公表価格から当サイト計算。使用するのは保存済みの上記期間のデータです。

目次

504調査日のうち501日で、沖縄が全国を上回った

計算は「沖縄県の平均価格 − 全国の平均価格」。たとえば沖縄が175円、全国が170円なら、差はプラス5円/Lです。

全国より高い調査日が、ほぼ全体を占める

同じ504調査日を比較/2016年10月24日〜2026年10月19日

出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」。沖縄県・全国のレギュラー、税込みの公表価格から当サイト計算。割合の分母は504調査日。公表された0.1円単位の価格を同日比較。調査のない日には価格を補っていません。

この期間では、全国を上回る状態は一部の日に限られていませんでした。観測窓の最初から2024年12月16日までは、連続する413調査日で沖縄が上回っています。

同額だったのは2024年12月23日。沖縄が下回ったのは2025年4月21日と28日で、差はそれぞれマイナス0.2円/L、マイナス0.1円/Lでした。これらも欠測ではなく、両方の価格が記録された日の比較です。

ここまでで分かるのは、差の「向き」です。小さなプラスも数えているため、次はその大きさを年ごとに確かめます。

最大の差が大きい年ほど、普段の差も大きい?

年の中で最も差が開いた日だけを見ると、2022年は12.1円/L、2017年は10.4円/L。2022年の方が大きく見えます。

ところが、各年の差を小さい順に並べた真ん中の値、中央値は、2022年が6.4円/L、2017年が7.7円/Lでした。最大値で比べたときとは、順序が逆になります。

下の図の太い帯は、差の小さい方と大きい方をそれぞれ約4分の1ずつ外した「中央50%の範囲」です。帯が右にあるほど、多くの調査日に共通する差も大きかったと読めます。

一番開いた差と、真ん中の差を並べて見る

2017〜2025年の通年比較/細線:最小〜最大 太帯:中央50% ●:中央値

年別の沖縄県と全国のガソリン価格差の分布細線は最小から最大、太い帯は中央50%、黒い点は中央値。2017年の中央値7.7円に対し、最大差が大きかった2022年の中央値は6.4円。2024年3.9円、2025年3.7円。詳しい値は直後の表に掲載。+0+3+6+9+1220177.720185.720196.6520205.9520215.220226.420234.420243.920253.7中央値沖縄 − 全国(円/L)
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」。沖縄県・全国のレギュラー、税込みの公表価格から当サイト計算。2017〜2025年の454調査日を暦年ごとに集計(各年50〜51日)。線の両端は実際の最小値・最大値。中央値・四分位数は当サイト計算。期間の一部だけの2016年・2026年は別扱い。
年別の集計値を見る(円/L)
年日数中央値中央50%の範囲
2017517.76.300〜9.050
2018515.74.700〜6.750
2019506.655.525〜7.175
2020505.955.125〜6.700
2021505.24.325〜5.850
2022516.45.550〜9.300
2023504.43.525〜5.175
2024513.93.550〜4.700
2025503.72.550〜5.000

中央50%の端は四分位数。補間計算で、公表価格より細かい桁が生じます。

2017年の中央50%は約6.3〜9.1円/L、2022年は約5.6〜9.3円/Lでした。2022年は上の端が大きくなる一方、中央値は2017年より低い位置にあります。

「一番開いたとき」と「多くの日に見られた差」は、同じ順序になるとは限らない。最大値と真ん中を合わせて見ると、その年の価格差を捉えやすくなります。

差は固定ではない。小さくなった時期もある

中央値は2023年が4.4円/L、2024年が3.9円/L、2025年が3.7円/Lでした。2017年の7.7円/Lと比べると、2025年は4.0円/L小さくなっています。中央50%の帯も、低い方へ移っています。

一方、途中の2022年には差が広がっており、毎年同じ方向に動いたわけではありません。また、2026年1月5日〜10月19日の40調査日では、中央値は8.35円/Lでした。こちらは年の途中までの結果として、通年の図と分けて読みます。

2026年には、差が49.4円/Lまで開いた調査日もあります。それでも中央値は8.35円/Lなので、一番大きな差だけでこの年を代表させるより、中心と幅を合わせて捉える方が実態に近づけます。

出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」から当サイト計算。2026年の対象は1月5日〜10月19日の40調査日、最大差は3月23日(沖縄227.1円/L − 全国177.7円/L)。原因や、その後の公表での改訂有無は今回未確認です。

今回のデータでは、沖縄が全国を上回る状態は多くの調査日に共通し、差の大きさは時期によって変わっていました。「沖縄はいつも何円高い」と一つの数字にまとめるより、どの期間に、どれくらいの差が重なっていたかを見た方が、価格の特徴を具体的に読めます。

この記事の分析について

出典と対象:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」「給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)」の週次系列。全国と沖縄県のレギュラーガソリン・税込みの平均店頭価格を使用しました。全国値を都道府県の単純平均で作り直さず、公表された全国系列を使っています。価格は公表値、価格差・件数・割合・中央値・四分位数は当サイトの計算値です。

期間と単位:保存済みDB出力の2016年10月24日〜2026年10月19日、両地域各504値(計1,008値)。年別の主図は2017〜2025年の454調査日です。2016年は10調査日、2026年は40調査日で年の一部しか含まないため分けました。これは2026年10月30日までの最新公表値を確認した記事ではなく、指定した保存期間の分析です。

計算方法:各調査日の「沖縄県 − 全国」を円/Lで計算。原値を0.1円単位の整数に変換して差を取り、プラス・ゼロ・マイナスに分類しました。割合は該当調査日数 ÷ 504 × 100。中央値と四分位数は差を昇順に並べ、位置(件数−1)× pを線形補間する方法(p=0.25、0.5、0.75)で求めています。価格を期間の日数や販売量で加重していません。

連続と欠測の扱い:連続413調査日は、保存窓内の隣り合う調査で差がプラスだった回数です。開始前から何日続いていたかは調べていません。調査間隔は5〜15日と一定ではなく、未調査日の価格は補間していません。選択した両地域の価格にNULL・重複日はありません。予定された全調査の欠落がないかを、調査予定表までさかのぼって確認したものではありません。

確認と注意点:既存の原本照合記録の1,004値に加え、2026年10月13日・19日の全国・沖縄県の4値を公式原本と照合し、計1,008値の一致を確認しました。本稿の差・件数・年別集計は保存済み出力を基に再計算しました。2026年3月23日の大きな差も機械的に除外せず掲載しています。最大差の1日を除く補助計算では、2026年の中央値は8.3円/Lでした。全国平均には沖縄県も含まれます。個々の店の価格差や、全店舗に共通する値幅を表すものではありません。

分析の範囲:同じ調査日の地域平均を比較した記述的な分析です。店舗構成の変化、流通費、税・補助制度などの寄与は分解していません。連続する調査値は互いに関連し得るため、504件を独立な標本とみなした有意差検定や将来予測は行っていません。掲載期間・計算式・集計値を残し、更新時も同じ定義で比較します。

この記事を書いた人

沖縄の公的データをもとに、人口や観光、暮らしの変化を分析しています。グラフと解説で、地域の姿をわかりやすく伝えます。

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